はい、12月ですね~まぁまだまだ確定申告の時期は先なのですが、個人事業主の場合には今月が決算月です。
確定申告の注意点とか青色申告のメリット・デメリットなどはまた別の機会に記事にさせてもらおうと思います。
「利益が出すぎたから経費にして節税だ!!」
なんてことを言っている人もいますが、僕からするとちゃんと節税の意味分かってますか?という人が多いです。本当に簡単な事なんですけどね。消費税が上がることも決まったこの御時世節約は大事ですよね~
目次情報
稀にいる経費で節税を勘違いしている人の発想
見出しには「稀にいる」と書いていますが、結構多くの人はこういう発想を持っています。つまり何でもかんでも経費にすれば節税になると思っている人の事ですね。
利益が出すぎているからキャバクラ行くぜ!飲みに行くぜ!!一晩で100万円使うぜ!!!
という感じの人は要注意。確かに経費に落とせばその分利益が減りますから税額は減りますが、それと同時に節税効果の無い経費の無駄使いは手持ちのキャッシュまで減らしてしまいます。
サラッと書いていますが、ここが非常に重要なポイントです。経費の無駄使いは税額を減らしますが手持ちのキャッシュも減らします。大事なので2回言いました。株式会社ではない個人事業主の場合は定期同額給与という面倒くさい制度が無いので儲けは全て自分のポケットに入れることが出来ます。
しかし、自分の給料になる金額への課税を減らしたいからといって無駄に経費を使っていると自分の手元に入ってくるキャッシュの金額も一緒に減っていくわけです。取り敢えず文章ではわかりにくいのでエクセルで作った表を貼り付けておきます。
上表は税率を30%と仮定した場合の手元に残るキャッシュの比較表。
このように無駄な経費を使うとその時はいいかもしれませんが、結局キャッシュが残らないので無意味です。上記のことを理解した上で経費の無駄使いをするなら問題無いのですが、これを分かっておらず取り敢えず経費にぶちこんどけー的な発想を持っている人は注意が必要ですね。
一応意味のある節税と意味の無い節税を簡単に紹介してこの記事を終了します。
意味のある節税
決算日の見直し
(会社組織限定の節約)決算日の見直しによる節税に関しては別記事を用意していますので、そちらをご確認下さい。参考記事:「決算時期の変更による節税/節約とは何ぞや!?」
なお、個人事業主に関しては1月~12月の暦年での計算のためこの方法による節税は無理です。
人材投資育成減税や中小企業投資促進税制への投資
(会社組織限定の節約)こちらも基本的には会社組織限定のもの。結構お金が貯まっている個人事業主の人であれば会社組織にしてこれらを実践するのも一つの手段です。
売上計上基準の見直し
売上の計上基準はほとんどの会社で「出荷基準」が採用されています。そもそも売上の計上基準は業種業態に適したものを採用すべきものではありますが、「出荷基準」だとまだ対価の受領が終わっていないのに売上を計上することになりますし、返品などが起こった場合の処理が面倒になります。
「入金基準」「検収基準」などに売上計上基準を変更して収益計上のタイミングを遅らせることで1期分だけですが、納税を遅らせることが可能になります。しかし、先ほども言ったように売上計上基準は自社に最も適した方法を用いる必要がありますし、継続的にその基準で売上を挙げなければ税務署も認めてくれません。
変更できるのは限定的と考えたほうがよいでしょう。真剣に売上計上基準を見直したい方は顧問税理士等に必ず相談してから行うようにして下さい。
回収不能債権のチェック
売掛金として計上されて既に3年以上経っているのに未だ入金が無い・・・なんて債権は無いでしょうか?明らかに回収不能と認められる債権などは経費として損金算入が出来ますので節税効果をもたらします。債権チェックを行なっていない方は是非チェックしてみてください。
社会保険料等未払費用の計上
こちらもその期だけの節税効果しか有りませんが、会計を収益費用発生の原則で認識することとなるため、適切な会計処理・適切な会計報告を見れるという点でメリットが有ります。
上記は「現金流出(キャッシュアウト)を伴わない節税行為であるため実践できるものが有れば実践してみるとよいでしょう。続いて「現金流出(キャッシュアウト)は伴うものの将来のキャッシュインに繋がる節税を紹介します。
特にこちらは個人事業主の方などは是非使って行って欲しいものです。
国民年金基金/確定拠出年金(個人型)/小規模企業共済
上記は個人事業主の退職金代わりのようなものです。掛金は所得控除が出来ますし、将来年金資産として帰ってきますので、経費の無駄使いよりもよっぽど有益です。また今話題のNISAもそうですが、確定拠出年金(個人型)の運用益も非課税です。必要に応じて使い分けると良いでしょう。
参考記事:国民年金基金のメリット/デメリット
経営セーフティー共済(中小企業倒産防止共済)
取引先が倒産して売掛金が入金されず資金繰りが苦しくなった場合などに掛金の範囲内で低利率で貸付を行ってくれる制度。もちろん解約手当金も貰えるので損をすることはなく、掛金も経費処理が可能。
生命保険への加入
零細企業は大黒柱である貴方が倒れてしまったらそれで終わりです。生命保険は全額経費処理出来る養老保険も有りますし、半額経費処理出来るものも有ります。100%に近い解約返戻金(もしくはそれを超える返戻金)を貰える物も有りますのでご自身の状況に合わせた保険を利用すれば意味のある節税になります。
ざっとした紹介ですが、上記のようなものが意味のある節税と言えるものの代表例です。続いて意味のない節税を紹介します。
意味のない節税
- 高級車を購入する
- 必要の無い飲み会経費の支払い
- 必要のない固定資産の購入
- 社員に対する決算賞与の支払い
要は将来のキャッシュインを生まないようなキャッシュアウトはほぼ全て意味の無い節税です。「社員に対する賞与の支払い」などは従業員のモチベーションアップに繋がるのでその辺りを勘案して実施するべきです。。
また、高級車の購入に関しては実際問題自分がポケットマネーで買いたい!と思っていたので有れば別に経費で処理して問題無いと思います。
私が尊敬する人の言葉で【お金の使い方は浪費か投資しかない】という言葉が有ります。結構大きな金額を使う場合にはそのお金が【浪費】に該当するのか【投資】に該当するのかを立ち止まって考えることが必要だと思いますよ~
以上「意味のある節税と意味のない節税」でした。取り敢えず僕も今年は途中で経理処理がストップしているのでそろそろ処理していきます・・・・(笑)