はい、今月最後の記事は先日から書いていたふるさと納税の記事に続いて税金関係のネタです。結構さらっと書きましたので、中小企業の社長さんや家族関係者の方はチラッと見て頂けるとちょっとした気付きになるのかなと思います。
5分もあれば読めます。では行きます。
法人実効税率が更に引き下げられる予定です
現在大企業の法人実効税率は38.01%で、2015年度以降は復興特別法人税が何故か廃止されるため35.64%になります。(東京都に所在している企業の場合)
これが高い高いと日頃から言われていたため、2014年6月に閣議決定された「骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針2014 ~デフレから好循環拡大へ~)」では以下のように記載されています。
日本の立地競争力を強化するとともに、我が国企業の競争力を高めることとし、その一環として、法人実効税率を国際的に遜色ない水準に引き下げることを目指し、成長志向に重点を置いた法人税改革に着手する。
そのため、数年で法人実効税率を 20%台まで引き下げることを目指す。この引下げは、来年度から開始する。
一気に10%前後引き下げするのですから、法人にとっては願ったりかなったり。しかし所得税率や社会保険料は年々引き上げられていますから、弱者いじめと言われても仕方有りません。まぁそんなことはここでは関係ないので省きます。
本当の中小企業への影響は限定的か!?
先ほど法人実効税率が引き下げられるので法人は良いですね~と書きましたが、正の影響を強く受けられるのは法人の中でもある程度利益を出せている法人です。というのも既に資本金1億円以下の中小法人に対しては所得に対する軽減税率が適用されているからです。
以下、我がホーム神戸市に本拠が有る中小企業の平成26年度4月以降の法人実効税率の表です。(支店等は無い会社を想定しています)
所得金額 | 法人実効税率 |
---|---|
400万円以下の部分 | 21.4% |
400万円超800万円以下の部分 | 23.2% |
800万円超の部分 | 36.0% |
実際に数字を見れば分かると思いますが、所得金額が800万円までの部分に関しては既に20%台の実効税率になっています。そのため、今回の法人税引き下げの効果を目一杯享受できるのは所得が800万円超を優に超える企業になります。
恐らく800万円以下の部分は減税が有ったとしても限定的でしょうから。
ちなみに、上記表の使い方は以下のようになります。
①400万円×21.4%=85.6万円
②400万円×23.2%=92.8万円
③(1,500万円-800万円)×36.0%=252万円
合計 4,304,000円
どうやって節税したらいいのか?
これは即時償却の記事でも書いたのですが、来年・再来年に減税が有ることが分かっている場合には費用を前倒しにすることで節税が可能になります。
ちょっと手間を避けるために即時償却のところで書いた情報を画像で再引用します。
つまり、法人税が下がる事が分かっているならわざわざ当期の高い税率の決算期に利益を出すのではなく、税率が高い決算期はそもそも利益を圧縮して、税率が低い決算期で利益を出しましょうという理屈です。
具体的には必要な設備投資を前倒しして費用計上したり、損が出る固定資産は前倒しで売却したり、益が出る固定資産は税率が下がってから売却したり、何かしら費用計上できる共済に加入したり、などが考えられます。
但し、税金を圧縮することにばかり注意しているとキャッシュが回らなくなる可能性も有るのでその辺は会社の資金状況を見ながら上手くやって下さい。
経費の無駄使いは見逃せない【※】意味のある節税と意味のない節税
専門家に見てもらうのが良いと思いますよ!
役員報酬との関係
次に、法人実効税率が引き下げられた場合の役員報酬との関係についても簡単に言及しておきたいと思います。(現実には引き下げられる前でも法人にかかる税金と関連して最適な役員報酬がいくらか?は考えておかなければならない事項です)
現状の方向性としては以下のようになっています。
- 法人に対する課税⇒減税方向
- 個人に対する課税/社会保障関連費⇒増税・増加傾向
むしろ、税率の低い法人に残しておいて、保険に入るなり、小規模企業共済に入るなりで退職金として残して置いたほうがトータルで手元に残る現金の額が大幅に増える可能性が有りますよって事です。
この辺り、かなり詳しく書いている税理士法人のブログがあったのでそちらへのリンクを張っておきます。オーナー企業の場合は役員報酬をどれだけ取るかという問題は非常に大事だと思うので、興味のある人はそちらを読んで勉強してみてください。
以上、今日はライトに書き上げられて満足しております!誤りが有ればご連絡下さい~