JRの普通列車なら1日どこまででも乗り放題の「青春18きっぷ」。どこの駅でも乗り降り自由なので、電車の旅を満喫するツールとして人気の高い切符です。
時間に追われる現代人。たまには時間を忘れてゆったりと電車旅を楽しんでみませんか?
私も30代のうちには、時間を忘れて温泉巡って優雅な旅でもしてみたいな・・・。
目次情報
青春18きっぷとは?
青春18きっぷとは、全国のJRの普通列車が乗り放題になる乗車チケットを言います。名前の由来は、学生などをイメージした「青春」と、学生の年齢を象徴する「18」から来ています。「20」でも良いような気もしますが、縁起の良い「末広がりの8」が含まれている数字を選んだようです。
チケット名と名前の由来から、学生だけが利用対象者じゃないの?と勘違いしてしまう人がいるかもしれませんが、青春18きっぷは大人でも子供でも利用可能です。ただし、子供料金は設定されておらず、大人と同額の料金11,850円となります。
こちらが青春18きっぷの見本です。
(出典:JAPAN TRAVELER(該当ページが削除されたためweb archiveへのリンク。)
青春18きっぷは、5回分が1セットとなっていて、1回分の有効期間は1日間(基本は0時~翌0時を過ぎて最初に停車した駅まで)です。上の画像のように、1セット分が1枚の切符で構成されています。そのため、後日利用する場合も同じ切符が必要になるので、紛失しないように保管しておく必要が有ります。
なお、1人1枚ではなく、1枚で5人まで利用する事も出来ます。例えば、5人で使用した場合は、画像の「1回(人)~5回(人)」の場所に利用日のスタンプが押される事になります。
販売期間と有効期限
青春18きっぷは、オールシーズン利用可能ではなく「春・夏・冬」のシーズン毎に、有効期限が区切られています。学生(特に大学生)がメインターゲットという事もあり、春・夏・冬の長期休暇に対応しているようですね。
■2015年シーズンの青春18きっぷの「販売期間」と「有効期限」
シーズン | 販売期間 | 有効期限 |
---|---|---|
春 | 2015年2月20日~ 2015年3月31日 | 2015年3月1日~ 2015年4月10日 |
夏 | 2015年7月1日~ 2015年8月31日 | 2015年7月20日~ 2015年9月10日 |
冬 | 2015年12月1日~ 2015年12月31日 | 2015年12月10日~ 2016年1月10日 |
2010年の春季から各期間は変更されてないので、2016年シーズンも上記と同じ期間になるでしょう。各期間の確定情報は、毎年2月10日前後にJRのプレスリリースでチェックする事が出来ます。年によっては、春季分だけが先行で発表されたりしてますね(その場合、夏季・冬季は6月上旬発表、または冬季は10月下旬発表)。
購入場所
青春18きっぷの購入場所は、主に以下のような所です。
- みどりの窓口
- 指定席券売機(通常切符を購入する券売機では有りません)
- 日本旅行などの主な旅行会社 等
みどりの窓口が無い駅でも、改札の係員が青春18きっぷの販売業務を兼務している事も有るので、青春18きっぷを購入出来るか聞いてみて下さい。
使い方・注意点
使い方と言っても至って単純なので、難しく考える必要は有りません。ただ何点か注意点が有るため、使用する流れに沿って紹介したいと思います。
まず、乗車する際は、改札窓口で青春18きっぷに改札印(駅名や日付など)を押印して貰います。この時の注意点は「自動改札機は利用出来ない」という点です。そもそも、青春18きっぷは自動改札機を通りません。改札印を押印して貰う事で、その日は1日中どこでも自由に乗降する事が出来るようになります。
乗車する駅が無人駅の場合は、車掌又は乗り換え・下車する駅の駅員に押印して貰いましょう。
そして、駅から出る時には乗車した時と同じように、改札窓口で駅員に青春18きっぷを見せて降りるようにしましょう。フリーパスでは有りませんので、何も言わずに通り抜ける事は出来ませんよ。
友人と一緒に青春18きっぷを使って旅をするなど、1枚の青春18きっぷを複数の人数で利用する事も可能です。
ただし、全員が行動を共にする必要が有ります。つまり、同じ電車に乗り、同じ駅で降りなければなりません。誰か1人だけ別行動をする事は無賃乗車となる可能性が有るので、注意が必要です。
なお、青春18きっぷを持っていない人は、集合場所までの運賃が有料となります。駅員に改札印を貰って改札を通る事で青春18きっぷは有効になるためです。なるべく交通費を抑えたいのであれば、青春18きっぷを持っている人が、その他の人の駅まで移動しながら合流するなど、合流方法に一工夫が必要となります。
使用後の注意点は以下の通りです。
- 次も同じ切符を利用するので、大切に保管する事
- 有効期限があり、次のシーズンや来年などに持ち越しは不可能
- 余った分の払い戻しは不可能 等
なお、未使用(1回も利用していない)の場合は、有効期限内であれば払い戻しを受ける事が出来ます(払い戻し手数料220円)。
青春18切符で乗れる電車
では、青春18きっぷで、どの電車に乗れるのか?そしてどの電車は乗れないのか?について紹介していきます。
まず、乗れる電車は原則JRの普通・快速列車のみとなります。
- 普通
- 快速
- 新快速
- 特別快速 等
そして、乗れない電車は以下のようになっています。
- JR以外の路線(私鉄や地下鉄など)
- 新幹線
- 特急列車 等
青春18きっぷで「乗れる電車」「乗れない電車」は上記の内容が基本です。しかし、JRが直通運行していても、一部の区間だけ私鉄になっていて運賃が必要な場合も有れば、特急列車で有っても利用する事が出来る場合が有るなど例外が多々有ります。
調べた限り一番情報量が多いのが「wikipedia(ウィキぺディア)」だったので、参考にして貰えればと思います。
夜行列車は?
夜行列車にも青春18きっぷで乗車する事が出来ます。夜行列車は、夜中の23時前後に始発駅を出発して朝早くに目的地に到着するので、長距離の電車旅には非常に便利な電車です。
ただし、全ての夜行列車に青春18きっぷが利用出来るわけでは有りません。乗車出来ない夜行列車の例としては、上野-札幌間を運行する「カシオペア」や東京-出雲・高松間を運行する「サンライズ出雲・瀬戸」などの寝台特急です。
寝台特急は「特急列車」なので、さきほどの青春18きっぷで乗れない電車に該当してしまうためです。
では、乗車出来る夜行列車はというと「ムーンライトながら(東京-大垣間)」などの「ムーンライト」が頭に付いた快速夜行列車です。ムーンライト信州81号やムーライトえちごなど各方面へ運行する夜行列車が利用可能です。
そして、夜行列車を利用する際に忘れてはならないのが「指定席券」の購入です。指定席券の料金は距離に関係なく「510~520円」で、閑散期にあたる9月や11月~12月20日の月~木曜には「310~320円」となります。なお、子供(小学生まで)は半額です。
購入する指定席券の日付は、夜行列車が出発する日付ではなく、実際に乗車する日付の指定席券を購入するようにして下さい。
夜行列車は、日をまたいで運行します。例えば、12月10日23時に出発して、日をまたいで12月11日の早朝に目的地に到着するような感じですね。この場合、12月10日中に夜行列車に乗車するなら「12月10日付」の指定席券を購入し、12月11日に途中の駅から乗車するなら「12月11日付」の指定席券を購入する必要が有ります。
注意しなければならない人は、出発日の翌日に途中の駅から乗車する人ですね。夜行列車の出発日に合わせて指定席券を購入しないようにして下さいね。
あと夜行列車を利用する場合には、青春18きっぷの使い方にも注意が必要です。
夜行列車は日をまたいで運行しますよね。そのため、1日目から夜行列車を利用する場合には、2回分の青春18きっぷを使用する事になります。なぜなら、1回分の有効期間は「0時~翌0時を過ぎて最初に停車した駅まで」だからです。
例えば、東京-大垣間を運行する「ムーンライトながら」の下り線の場合には、23時過ぎに東京を出発し、23時台に品川・横浜と停車し、0時を回って最初に停車するのが小田原です。この場合、東京-小田原間で1回分の青春18きっぷを消費し、小田原-大垣間でさらに1回分の青春18きっぷを消費する事になります(上り線は、大垣⇒岐阜⇒名古屋⇒豊橋が0時を過ぎて最初に停車する駅)。
選択肢は、上記のように「青春18きっぷを2回分使用する」か「0時を過ぎて最初に停車した駅までの通常の切符を購入する」かです。
どちらを選ぶかは「青春18きっぷ1回分の料金」と「通常の切符料金」を比較して考える事になるでしょうか。ムーンライトながらを例にしたので、東京-大垣間の路線で考えてみましょう。
出発駅から0時を過ぎて最初に停車する小田原駅又は豊橋駅までのJRの通常料金は、以下の通りです。
下り区間 | 料金 | 上り区間 | 料金 |
---|---|---|---|
東京-小田原 | 1,490円 | 大垣-豊橋 | 1,940円 |
品川-小田原 | 1,320円 | 岐阜-豊橋 | 1,940円 |
横浜-小田原 | 970円 | 名古屋-豊橋 | 1,320円 |
上記の料金と、青春18きっぷの1回分の料金を比較します。JRで正規に購入した場合の1回分の料金は2,370円ですので、青春18きっぷを使用するのは少し勿体無いかなという感じですね。
ただし、これは両方ともが正規の値段での比較の結果です。金券ショップ等で安く購入出来るのであれば、結果は変わってきます。また、残った青春18きっぷを金券ショップで買取してもらうのであれば、その価格と比較する事になります。状況によって変わるので、状況に合った選択をするようにして下さいね。
バスは可能?フェリーは?
青春18きっぷは、あくまでJR鉄道をお得に利用する為のチケットです。そのため、電車以外の乗り物を無料で利用する事は原則出来ません。
ただし、代行バスには青春18きっぷを利用して乗る事が出来ます。代行バスとは、工事や災害などで路線が運行不能になった際に、電車の代わりに運行されるバスを言います。かなりイレギュラーなケースかと思いますので、代行バスが運行される際は駅員の指示に従うようにして下さい。
フェリーに関しては、唯一「JR西日本宮島フェリー」を無料で利用する事が出来ます。
関釜フェリーは「下関」と韓国の「釜山」を結ぶフェリーです。2015年の青春18きっぷの夏季シーズンに併せて「青春18きっぷ旅大応援割引」サービスを提供していました。
サービス内容は【フェリー料金の片道9,000円が50%OFFの4,500円】となる破格の内容でございましたー。往復で申し込んだ場合は復路も割引が適用されます。往復で9,000円もお得に。
日本中を旅して最後に韓国というのは現実的では有りませんが、韓国へフェリー旅行を考えている人にとってはかなりお得な内容ですね。
ただし、2015年の夏限定だったので、今後同じサービスが提供されるかは不明です。もし、青春18きっぷが販売されるシーズンに同じサービスが提供されるならば、韓国フェリー旅行に青春18きっぷを組み込む方法は有りだと思いますよ。
青春18きっぷの値段は?
JRの「みどりの窓口」などでの青春18きっぷの値段は「11,850円」です。大人・子供関係なく、この値段です。5回分の値段になるので、1回あたり2,370円という事になりますね。
なお、2007年には、JR発足20周年を記念して春季チケットが8,000円で発売された事が有ります。もしかしたら、30周年となる2017年にも通常よりお得な値段で販売されるかもしれません。2017年の青春18きっぷは要チェックです。
金券ショップやネットオークションでバラ売りしている青春18きっぷを購入した方がお得?
金券ショップやネットオークションでは、誰かが何度か使用した青春18きっぷ(未使用の物も有る)を販売しています。これがいわゆる「青春18きっぷのバラ売り」です。
「5回分はいらないけど、1回分や2回分だけ欲しい」という人は、バラ売りされている青春18きっぷを購入するのも有りかと思います。
ただし、JRで購入するよりも必ず安く手に入るわけでは有りません〈1回分あたりの値段)。では、金券ショップの値段の相場はどれくらいなのか?これは、金券ショップによっても異なるので一概には言えませんが、一般的な傾向は以下のようになっています。
- 未使用の回数が少ないほど、1回分あたりの値段は高くなる
- 残りの有効期限が長ければ1回分あたりの値段は高くなり、短ければ安くなる
未使用回数が1回や2回の青春18きっぷは需要が多いので、値段が高くなる傾向にあります。そのため、残りの有効期限がよっぽど短くない限りは、1回あたりの値段は2,370円(JRで購入した場合の1回あたりの値段)より高くなるようです。
金券ショップで青春18きっぷを安く手に入れるなら、「未使用回数が多い切符」か「有効期間が短くなった切符」という事になるでしょう。ただし、青春18きっぷは入荷したらすぐに売れてしまう事が多いようなので、有効期間が短くなるのを待っていたら完売してしまうリスクが有る事は忘れないで下さいね。
なお、長期休暇の直後は、未使用分を金券ショップに買い取って貰う人が多くなります。そのため、お盆や正月休みの後に旅行を計画しているなら、長期休暇明けがチケットを購入する狙い目となるでしょう。
余ったら買取してもらおう
もし、青春18きっぷが余ったら金券ショップで買い取ってもらいましょう。いくらで買い取って貰えるかは、ショップによって異なるのでなんとも言えませんが、1日分の買取価格は通常価格の1日分2,370円を超える事は無いのが一般的です。
また、買取価格も「未使用回数」と「残りの有効期限」に販売価格と同様の影響を受けます。そのため、未使用分の青春18きっぷを今後使用しないのであれば、日数が経過して買取価格が下がってしまう前に買い取って貰いましょう。
なお、前述しましたが5回まるまる未使用の切符はJRで11,630円(手数料220円が差し引かれる)の払い戻しを受ける事が出来ます。
【参考】青春18きっぷの赤券って何?
青春18きっぷに「赤券」という切符が有るのはご存知でしたか?通常の青春18きっぷは、青い地紋で特急券などを発行するマルス端末によって発行されます(マルス券)。一方、赤券は赤い地紋で印刷工場にて印刷された切符です。
赤券は通常の青春18きっぷよりもサイズが大きく、紙の強度が若干弱めという違いは有りますが、青春18キップとしての効力には全く違いは有りません。値段も一緒です。
赤券の見た目以外の最大の特徴は「希少価値」です。シーズンごとに発行枚数が決まっていて、その数は数千枚と言われています。また、販売している駅もJR西日本とJR四国の一部の駅のみで、通信販売もしていないため、購入するには販売駅まで足を運ぶ必要が有ります。
通常の青春18きっぷと効力に差は有りませんが、電車旅の思い出に「赤券」を添えてみてはいかがでしょうか?
はい、今日は終了。僕もいつか青春18きっぷで青森のねぶた祭りでも見に行きたい。