工場や百貨店などでは既に開始されていた「電力自由化」が、一般家庭でも2016年4月から始まります。
電力自由化で最も気になるポイントは「電気代が安くなるのか?」という事ですよね。気になると同時に期待している人も多いと思います。また、電力会社の選択肢が増える事で、どのように電力会社を選べば良いか気になっている人も多いでしょう。
そこで、今回は「電力自由化で電気代は安くなるのか?」と「電力会社選びのポイント」、この2点に絞って話をしてみたいと思います。
電力自由化で電気代は安くなるのか?
電力自由化によって電気代は安くなる可能性が有る一方で、現状維持又は高くなる可能性も有ります。
「安くなる」と考えられる理由は、以下の通りです。
- 電力自由化による価格競争
- ガス・通信等とのセット販売
- 生活リズムに適合した新料金プラン
電力自由化が始まれば、既存の地域の電力会社と新電力会社が電力市場のシェアを奪い合う事になるので、顧客を獲得するために価格競争が生まれます。その結果、電気代が安くなると言われています。
ただし、地域の電力会社は電気料金設定の規制が撤廃される2018年~2020年頃までは、現在の電気料金規制が維持されるので、電力自由化と同時に電気代が値下がりする事はおそらく有りません。
また、各電力会社が提供する「セット販売」や「新料金プラン」を上手く利用すれば、電気代は安くなります。これらの手段は「電力会社選びのポイント」にもなりますね。
一方「現状維持又は高くなる」と考えられる理由は、以下の通りです。
- 電力自由化の後退
- 地域格差
- 燃料調達費の高騰
電力自由化の開始直後は電気代が安くなると予想されていますが、自由化の影響がその後も波及し続けるかについては不安視されています。
というのも、東電や関電などの大規模な発電能力を有する電力会社との競争に、新電力会社が負けて電力市場から撤退してしまうと、電気料金の引き下げはあまり起きないかもしれないからです。
また、電力自由化と言っても全国一律に効果が波及するわけでは有りません。新電力会社の多くは関東・中部・関西といった消費者の多い地域で営業を行います。
そのため、新電力会社があまり参入しない地域では、地域の電力会社の独占状態が継続される可能性も有ります。特に、沖縄や北陸地方は新電力会社の参入が少ない傾向に有ります。
そして、最後に燃料調達費の高騰による電気料金の値上げです。電力の自由化前も燃料調達費が高騰すれば電気代に反映されてきましたが、電気代の値上げに関しては政府の承認が必要でした(だいたい承認されてましたけどね)。しかし、自由化後は、燃料調達費の高騰がダイレクトに電気代に反映される事になります。
以上のように、電力自由化で電気代は安くなる事も有れば、現状維持又は高くなる事もあるわけです。消費者としては、電気代の変化に対応出来るように、より良い電力会社を選ぶポイントを抑えておく必要が有るでしょう。
電力会社選びのポイント
2015年12月9日現在、新電力会社の登録数は73社となっています。ただ、電力自由化で電気の購入先を選択可能になるとはいえ、全ての新電力会社が選択肢になるわけでは有りません。
なぜなら、新電力会社によってサービスを提供する地域の範囲は異なるからです。全国をサービス提供範囲にしている会社もあれば、関東だけをサービス提供範囲に絞っている会社も有ります。
そのため、電力会社選びで最初にやる事は、住んでいる地域をサービス提供範囲としている電力会社のピックアップです。そこから、以下で紹介する料金プラン等を比較して、より最適な電力会社を選んでいきましょう。
電力料金プラン
電力自由化によって、新電力会社に限らず大手の電力会社も消費者のニーズにマッチした電力料金プランを提供する予定です。
自分の生活スタイルに最もマッチした料金プランを選ぶ事で、電気代を今までよりも安く出来るかと思います。ただし、料金プランが今まで以上に複雑かつ多岐に渡る事が予想されるので、自分に合う料金プランがどの電力会社のどのプランなのかを見つける事が難しくなってしまいます。
そのため、1社1社の料金プランを見ていると時間がかかり過ぎてしまうので、各電力会社の料金プランを一括で比較出来るサイトを利用した方が良いでしょう。地域の入力項目も有るので、利用可能な電力会社をピックアップする作業も省けますよ。
各社の電力料金プランは、2016年1月に順次発表される予定です。
ガスや通信などとのセット販売・割引
電力自由化で新規参入してくる企業は、電力関係の企業ばかりでは有りません。ガスや通信、不動産、車など様々な企業が参入を発表しています。
これらの企業は「電力とガス」や「電力と通信(光回線・携帯など)」などのようにセット販売・割引をして、消費者に電力だけでなくトータルでお得になるようなサービスを提供します。
そのため、今利用しているガスや通信回線なども考慮して、どの電力会社が一番お得なのかを選ぶ事も大切になってきます。
ポイントサービス
支払った電気料金などに応じて、Tポイントやポンタポイントなどの共通ポイントが付与されるサービスを提供する電力会社も登場します。
例えば、東京電力はTポイントとポンタポイントを選択制にして、支払い額に応じてポイントを付与するサービスを提供する予定です。貯めたポイントは電気代の支払いに充当する事も出来ます。
ただし、現時点で電力会社が提供するポイントサービスの詳細は明らかにされていません。が、クレジットカード払いでの「ポイント二重取り」が可能になるかと思います。そのため、クレジットカードの見直しも同時に行った方が良いかもしれませんね。
■Tポイント又はポンタポイントが貯まる主なクレジットカード
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電力会社から付与されるポイントの還元率によっては、電力会社選びの際にポイントサービスも考慮する必要が有るでしょう。
まとめ
電力自由化によって、電気代が安くなるか?という疑問に関しては、蓋を開けてみないとまだ分からないというのが正直な所です。2016年の1月には各社の料金プランが発表されるので、その頃に少しは垣間見えるかと思います。
また、電力会社の選択に関しては、様々なプランやサービスが登場するので、かなり煩雑な作業になるかと思います。電気料金プランやセット割引、ポイントなど色んな角度から電力会社を吟味していかなければなりません。
電力自由化まではまだ時間が有りますので、焦らずじっくり検討していきましょう。