もうすぐ夏目前!なのでエアコンの冷房代を節約するにはどうしたらいいのか?といった所に焦点を当てて記事を書き続けているわけですが、今日は「冷房」と「除湿」は一体どちらを使えば電気代を節約することになるのか?について解説していきます。
またそれに伴って「除湿」の中でも二つ有る「再熱除湿」方式と「弱冷房除湿」方式の違いも説明していきたいと思います。
冷房と除湿の違い
まず冷房と除湿の違いについて見て行きましょう。エアコンの冷房の仕組みについては下記参考記事の前半で詳しく解説していますのでそちらも参考にして頂ければと思います。
参考記事:「エアコンの電気代の節約は室外機がポイント」
■冷房について■
冷房が目的としているのは部屋の温度を下げること。暑くなった部屋から【熱】を追い出して涼しくすることを一番の目的にしています。その結果副次的に湿度も下がることになります。
■除湿について■
除湿が目的としているのは部屋の湿度を下げること。梅雨時など部屋の中も湿度が高くてジメジメしていますよね。これは空気中に水分が沢山貯めこまれているから。除湿機能ではこの空気中の水分を外に追い出して部屋の空気をサラサラにすることを一番の目的にしています。
次にそれぞれの仕組みについて見て行きたいと思います。
冷房の方式は上記の参考記事を読んで頂くとして、除湿はどのような仕組みで行われているか簡単に説明します。
除湿の仕組み
夏はとっても熱いのでキンキンに冷えた水なりお茶なりを飲むことが多くなりますが、その時コップに冷えた水やお茶を入れるとコップが曇ったりコップに水滴が付いたりしますよね?
空気は水分を蓄えておくことが出来るのですが空気が水分を蓄えておける量は気温によって変わります。
気温が高い場合・・・沢山の量の水分を蓄えることが出来る
気温が低い場合・・・少ない水分しか蓄えることが出来ない
なので冷たいコップに冷たいお水を入れるとその周りの空気の温度が下がるので周りの空気が水分を蓄えることが出来ません。空気中にいられなくなった水分は結果として水滴としてコップに付着することになります。
エアコンの除湿機能ではこの空気と水分の関係を利用して室内の湿度を下げようとします。
具体的には水分をタップリ含んだ湿度の高い空気を吸い込んで熱交換器で【熱】を奪って、吸い込んだ空気の温度を下げます。温度が下がると水分は空気中にいられなくなってしまうので水滴として熱交換器に付着します。
熱交換器に付いた水滴は集められて室外のホースから排出されます。エアコンをつけると室外機周りのホースから水が出てるのはこういった理由からなんです。除湿機能はこれを繰り返して室内の水分を輩出することで快適な湿度を実現するわけです。
除湿には「再熱除湿」と「弱冷房除湿」の二つが有る
除湿機能にはあまり知られていませんが「再熱除湿」方式と「弱冷房除湿」方式の二つの機能が有ります。
この二つの違いは【部屋に空気を戻すときの空気の温度】の違いにあります。
「再熱除湿」方式は部屋の中の湿度を下げることだけに焦点を絞っています。従って現在の部屋の室温を維持しようとします。しかし湿度を下げるためには一旦空気の温度を下げなければならないことは先程も説明したとおりです。
しかし処理を施した空気を室内に戻してしまえば室温そのものも下がってしまいますよね?再熱除湿方式ではそれを防ぐ為に湿度を下げるために温度を下げた空気を室温と同じレベルにまで再度温めてから部屋に空気を戻しています。
このように一旦温度を下げた空気を再度温める事から「再熱除湿」方式と呼ばれます。
一方「弱冷房除湿」方式は一旦温度を下げて湿度を下げた空気をそのまま室内に戻します。言ってしまえば弱い冷房のようなものです。
つまり言ってしまえば20度でガンガンに冷房をかければそれだけで除湿機能の役割も果たしてくれることになりますし、除湿の効果としても温度設定を低くした冷房の方が除湿機能よりも高い場合も有ります。
除湿の仕組みや冷房と除湿の違いもわかったところで結局どの方式が一番電気代の節約につながるのか?見て行きましょう。再熱除湿と弱冷房除湿の仕組みについては下記ダイキンの記事が参考になります。
結局どれが一番お得??
ここまでの記事でエアコンの方式には
・冷房
・除湿(再熱除湿)
・除湿(弱冷房除湿)
の3つが有ることが分かりました。
この3つの消費電力や湿度を下げる機能・温度を下げる機能の関係を示す図を作ってみました(スマホの人は見えにくいかも!)
*1 先程も書いたように実質的には温度を低く設定した冷房の方が除湿効果は最も高いです。しかしながらこれは温度設定に依存するものです。温度を高く設定しているのであれば再熱除湿の方が効率的に湿度を下げてくれる場合も有ります。ケースバイケースと考えて下さい。
①弱冷房除湿方式
②冷房
③再熱除湿方式
の順で安くなって行くことになります。
再熱除湿は温度を下げてから再度温め直すので二度手間になる分電気代は非常に高くなってしまいます。普通の冷房と比べると大体20%増しと考えておきましょう。
一方で弱冷房除湿方式は普通の冷房と比べると大体10%~15%程度電気代は安くなります。
従って夏のエアコン代を下げるためには弱冷房除湿や高めの温度設定の冷房機能を用いることが一番電気代の節約となります。
再熱除湿方式はいらない?
このように見ていくと再熱除湿方式は何らメリットが無いように見えてきます。
しかし再熱除湿方式は【温度を下げずに湿度を下げる】という特徴が有ります。
温度を下げすぎてしまうとやはり冷房症などのリスクも合って健康に良いとは言い切れません。しかし梅雨時や夏でも雨が振っている時、夜などジメジメしている時に再熱除湿方式を利用すれば快適に過ごすことも出来ます。
利用シーンに合わせて使い分けることが結局一番重要です。
再熱除湿と弱冷房除湿を見分ける方法
昔のエアコンのリモコンを見ると「ドライ(除湿)」としか書いておらずその除湿機能が「弱冷房除湿」なのか「再熱除湿」なのか分からないことが多いです。
これを見分けるためにはズバリ!メーカーに問い合わせるしか有りません。
というのも除湿機能に「弱冷房除湿」を採用しているのか「再熱除湿」を採用しているのか古いエアコンだとマニュアルにも記載されていないことが多いんです。なのでメーカーに聞く方法以外有りません。比較的新しいエアコンだと再熱除湿を採用している物の方が多いかなという印象です。
最新式のエアコンだと除湿にも「再熱除湿」と「弱冷房除湿」の両方の機能が付いていることもありますよ!
というわけで今日の記事はここまでです!時間が有ればその他のエアコンの電気代節約コンテンツも御覧ください!
究極のエアコンの冷房電気代節約術はこれっきゃない!
エアコンの電気代節約テクニック12個!!
エアコンの節電でよくやる間違い~消費電力のカラクリを知る~