以前、単利と複利の違いという記事を書いたことが有るのですが、単純な話にも関わらず継続的にアクセスが有ります。
それもそのはず!2011年に行われた金融庁の「金融力調査」によると、複利計算を正しく行えた人は全体の3割程度しかいませんでした。
つまり、多くの人は「複利の力」を知らずに生活しているという事になります。iDeCoやNISAの登場で日本人でも投資する人が多くはなってきましたが、今なお投資をしない人が多いのは「複利の力」を知らないから、という理由も有るのかもしれません。(もちろん、投資恐い!という理由のほうが多いと思いますが。)
そこで、今回の記事では複利の力の借りて投資をした場合に、どれだけお金が増えていくのかシミュレーションしてみたいと思います。内容としては超単純な記事です!
複利とは?複利の力を知ろう!
複利という言葉を国語辞典で検索すると以下のように記載されています。
複利法の計算による利息。重利。
複利法は以下のように記載されています。
利息計算方法の一。一定期間の利息を元金に加え、その元利合計を次の期間の新元金として利息を計算する方法。
要は元本部分だけにしか利息が付与されない単利と違って、利息も再投資する複利方式の場合には、獲得した利息にも毎年毎年利息が付与されていくので、雪だるま式にお金が増えていく方式と考えれば分かりやすいです。
以下、元本100万円を年利2%で30年運用した場合、単利と複利でどの程度最終的に得られる金額が変わってくるのかを計算した表です。
単利の場合 | 複利の場合 | 差額 | |
0 年後 | 1,000,000 | 1,000,000 | 0 |
1 年後 | 1,020,000 | 1,020,000 | 0 |
2 年後 | 1,040,000 | 1,040,400 | 400 |
3 年後 | 1,060,000 | 1,061,208 | 1,208 |
4 年後 | 1,080,000 | 1,082,432 | 2,432 |
5 年後 | 1,100,000 | 1,104,081 | 4,081 |
6 年後 | 1,120,000 | 1,126,162 | 6,162 |
7 年後 | 1,140,000 | 1,148,686 | 8,686 |
8 年後 | 1,160,000 | 1,171,659 | 11,659 |
9 年後 | 1,180,000 | 1,195,093 | 15,093 |
10 年後 | 1,200,000 | 1,218,994 | 18,994 |
11 年後 | 1,220,000 | 1,243,374 | 23,374 |
12 年後 | 1,240,000 | 1,268,242 | 28,242 |
13 年後 | 1,260,000 | 1,293,607 | 33,607 |
14 年後 | 1,280,000 | 1,319,479 | 39,479 |
15 年後 | 1,300,000 | 1,345,868 | 45,868 |
16 年後 | 1,320,000 | 1,372,786 | 52,786 |
17 年後 | 1,340,000 | 1,400,241 | 60,241 |
18 年後 | 1,360,000 | 1,428,246 | 68,246 |
19 年後 | 1,380,000 | 1,456,811 | 76,811 |
20 年後 | 1,400,000 | 1,485,947 | 85,947 |
21 年後 | 1,420,000 | 1,515,666 | 95,666 |
22 年後 | 1,440,000 | 1,545,980 | 105,980 |
23 年後 | 1,460,000 | 1,576,899 | 116,899 |
24 年後 | 1,480,000 | 1,608,437 | 128,437 |
25 年後 | 1,500,000 | 1,640,606 | 140,606 |
26 年後 | 1,520,000 | 1,673,418 | 153,418 |
27 年後 | 1,540,000 | 1,706,886 | 166,886 |
28 年後 | 1,560,000 | 1,741,024 | 181,024 |
29 年後 | 1,580,000 | 1,775,845 | 195,845 |
30 年後 | 1,600,000 | 1,811,362 | 211,362 |
1,000,000円を年利3%で複利運用すると30年後に1,811,362円、約1.81倍になります。単利では 1,600,000円となり、その差は 211,362円です。
複利方式では利息が利息を生みますので、単利と比べて大きな金額を得られる事が分かると思います。これこそ正に複利の力!お金にお金を稼いでもらっている感覚ですね~
かのアインシュタインも「人類最大の発見は複利」だと言っています。複利の力を投資に生かさない手はありませんね。
日本人の7割が間違った問題の内容とは?
複利の力を借りて投資した場合のシミュレーション結果を紹介する前に、冒頭で紹介した複利計算の問題がどんなものだったのか紹介しておきたいと思います。
□問題の内容
「100万円を預貯金口座に預け入れました。金利は年率2%だとします。また、この口座には誰もこれ以上お金を預け入れないとします。5年後には口座の残高はいくらになっているでしょうか。」
この問いに対して「110万円より多い」と回答できた人の割合がたったの30.5%!不正解の人は「53.4%」、分からないと答えた人の割合は「15.9%」でした。つまり、7割の人は正答出来ていません。
もちろん、預金利息に対する課税等も考慮して「110万円を下回る」と回答した人も沢山いらっしゃるとは思いますが、それを差し引いても正答率はかなり低いと思います。
実際、2016年の同様の調査で複利計算に関する以下のような問題が出ていたのですが、これの平均正解率は約40%でした。
10 万円の借入れがあり、借入金利は複利で年率 20%です。返済をしないと、この金利では、何年で残高は倍になるでしょうか。
1. 2 年未満
2. 2 年以上 5 年未満
3. 5 年以上 10 年未満
4. 10 年以上
5. わからない
計算してみると、以下のようになります。
単利の場合 | 複利の場合 | 差額 | |
0 年後 | 100,000 | 100,000 | 0 |
1 年後 | 120,000 | 120,000 | 0 |
2 年後 | 140,000 | 144,000 | 4,000 |
3 年後 | 160,000 | 172,800 | 12,800 |
4 年後 | 180,000 | 207,360 | 27,360 |
5 年後 | 200,000 | 248,832 | 48,832 |
複利の場合は4年後には10万円の倍である20万円になっていますので、正解は「2」番です。
ちなみに単利だと5年後に丁度20万円になりますので、問題が単利計算でほにゃらら~だったら正解は「3」番になります。
複利の力をエクセルでシミュレーションすると投資をするのが楽しくなってくるよ!
では、本題です。本題と言っても、複利の力を借りて投資した場合にどれだけお金が増えていくのか?をシミュレーションしてニヤニヤするだけです。
「投資×複利の力」を考える場合に忘れてはならないのが、先程のセクション「複利とは?」とは違って、投資の場合には毎月・毎年、元本も追加していくのが普通って部分。利息だけなく元本も追加していくわけですから、それなりの利率で運用できればそりゃもう凄いニヤニヤ出来ます。
もちろん国際分散投資&長期投資であることが前提ですが。
以下、毎年30万円(月2.5万円)を投資に回して30年間コツコツ運用した場合の結果。利率は年利2%~10%で計算しております。(運用にかかるコストは反映させていないので悪しからず。)
スマホで見ている方のために「年利2%、5%、10%」で運用した場合の30年後の元利合計と回収率を抜粋しておきました。元本総額は9,000,000円です。
年利 | 30年後の元利合計 | 利益金額 | 回収率 |
---|---|---|---|
2% | 12,413,832円 | 3,413,832円 | 137.9% |
5% | 20,928,237円 | 11,928,237円 | 232.5% |
10% | 54,283,027円 | 45,283,027円 | 603.1% |
いやー凄い。2%での運用でも300万円以上の利益が出ます。10%で運用できたら・・・利益4,000万超えの回収率600%!?いやー凄い。
まぁ、年利10%換算でお金を増やしていくのは非現実的ですけど見る分には無料なので笑。私の場合は、毎年○○万円投資して○%で30年運用したらこんだけ金が増えるのか!みたいな表を無駄にエクセルで作って、それを眺めてニヤニヤしています。これだけでも楽しいです。
長期投資は山あり谷ありですが、適切なタイミングで利食いを行えば年利換算で2%/3%の利益を得るのは難しくないと思っています。これからの時代何が起こるか分かりませんので、楽しみながら投資をして老後に備えましょう♪