デビットカードが世に登場してから約15年。決済手段としてなかなか普及しませんでしたが、ここ最近の電子決済のニーズに後押しされ各金融機関が力を入れ始めた事により、普及の波は日本全体に拡がっているのが今の状況です。勿論電子決済のニーズだけではなくデビットカード自体のメリットもその普及に大きく貢献しています。
ちょっと長いのでブックマークして時間が有る時にでも読んでみてください。
追記:現在発行されているVisaデビットカード10券種について徹底的に比較してみました。どのデビットカードを発行しようか迷っている人は下記を参照して下さい。
Visaデビットカード10券種を徹底比較!貴方にピッタリのデビットカードはこれ!
VISAデビットカードのメリット
デビットカードのメリットを一挙に紹介していきます。メリットの数が多く、また人それぞれカードの利用シーンや方法によっては無関係のメリットもあると思いますのでその辺は「ふ~~ん」って感じでサラッと読む程度で流していってください。
無審査のカードが多い
デビットカードは利用した金額を銀行口座から即時引き落としするので、契約する人の信用性を審査する必要が基本的に有りません。
この点、クレジットカードでは買い物をするとクレジットカード会社が一旦代金を立替えて約1ヶ月後に利用者から立替えた金額を回収する事になります。いわばお金を短期間貸付ている状態になります。そのため、利用者の信用がとても重要になってくるので、カード契約時にこの人は代金をしっかり支払う事ができるのか審査を行います。
このメリットはクレジットカードの審査に不安があるという人には大きな魅力となりますね。さらに「審査が無い」というメリットは次のメリットにも波及します。
※ 審査が必要なデビットカードも有ります。
クレカを作れない人も発行可能
デビットカードは働いていない高校生や主婦も発行が可能です。
クレジットカードの多くは、「18歳以上であること+収入が安定している事」が基本的な発行条件なので、高校生などはクレジットカードを持ちたくても持てないわけです。銀行口座は持っている高校生、家庭の財布を握っている主婦がカードを持てなくて不便な思いをする場面は多いと思います。
デビットカードなら基本的に審査も無いので、年齢条件や収入面で問題を抱えていた高校生・主婦もカードを持てるようになります。
※ 年齢条件に関しては銀行によって、「15歳以上の高校生」「16歳以上」と少し条件に違いがあります。またカードを申し込む支店によっては20歳以上の条件の所もあります。
キャッシュバックポイント有り
VISAデビットカードも、クレジットカードと同様に利用金額に合わせてキャッシュバックポイントが付きます。
現金での買い物とVISAデビットカードでの買い物では、先にATM(銀行口座)からお金をおろすのか後から銀行口座からお金が引き落とされるのかの違いだけにもかかわらず、VISAデビットカードでの買い物では、キャッシュバックポイントが付くので現金での買い物よりもお得になります。わざわざATMに立ち寄る手間も省ける事もメリットの一つとなりますね。
キャッシュバックポイントの付与率は0.2%~1%となっています。
年会費が無料のカード有り
年会費なんてのは無料が一番ですよね。ここでは年会費が無料であるカードを紹介していきますね。
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■年会費が無料
- スルガ銀行のVISAデビットカード
- ジャパンネット銀行VISAデビットカード
- あおぞら銀行のあおぞらキャッシュカードプラス
- 三菱東京UFJのVISAデビットカード
■条件付きで年会費が無料
三菱東京UFJのVISAデビットカードは、23歳以下又は前年の利用金額が10万円以上の場合は翌年の年会費は無料となります。日常生活の買い物にデビットカードを使う事を前提にすると年間10万円以上、月に換算すると約1万円ですので食費だけでこの数字はクリアできるとは思います。
即時引き落としの為、現金感覚で使用できる
このメリットは既に上記のメリットを紹介する時に何回か登場したVISAデビットカードの特徴でありメリットです。
クレジットカードを敬遠する人の中には、一時的にでも借金をするような買い物はしたくないと考えている人もいると思います。VISAデビットカードで買い物をした場合には、自分の銀行口座から即引き落とされるので、銀行に借金をせずにキャッシュレスで買い物をする事が可能になります。
知人であれ他人であれ借金をするというのは気持ちの良いものではありませんよね。VISAデビットカードならこのような気持ちになる事なく買い物をする事ができます。
ATM手数料節約
VISAデビットカードを持つ事によってほとんどの支払いを現金ではなく、VISAデビットカードで行うのでATMを利用する頻度がかなり減り、ATM手数料の節約をする事ができます。
もしVISAデビットカードを持っていなかったら、財布のお金が無くなったらATMを探してお金をおろす必要があります。ATMを探す時間、お金をおろす手間、そしてATM手数料とかなりの無駄が発生してしまいます。このような無駄を無くす事ができるのがVISAデビットカードです。
さらにVISAデビットカードを持つ事でATM手数料の節約等に関する無駄を省けるだけでなく、支払い時の現金・お釣りのやり取りをしなくて済みますし、小銭が発生しないのでスマートな財布を維持する事ができます。パンパンに膨れ上がった財布って見た目が悪いですしダサく感じますよね。
VISAデビットカード1枚あれば、ATM手数料節約などかなりのメリットを享受できる事がだんだんわかってきたのではないでしょうか?
口座残高を超過して利用する事ができないので使いすぎる事がない
クレジットカードは1、2ヵ月後の支払いとなるので実際にお金が減るのは買い物した時ではなく忘れた頃にやってくるわけです。買い物した時にお金が減らないのでついつい多めに買い物をしてしまうという人も多いと思います。そして支払い額に驚いて急に財布の紐を引き締めてヒモジイ生活を送るなんて事にもなりかねません。
VISAデビットカードは利用できる金額が銀行口座の残高であるという点でクレジットカードと大きく異なります。口座残高以上の買い物には利用する事が出来ないので、使いすぎる事がなくなります。口座残高さえしっかり管理しておけば今月どうしようなんて事にもなりません。
後ほど紹介するメール利用通知やWEB利用明細などとも併用する事で、VISAデビットカードはクレジットカードと比べると高校生などのクレジットカード初心者やついつい使いすぎてしまう人にとってはちょうど良いカードとなります。
また利用限度額も設定できるので使い過ぎてしまう人は低めに設定するのも有りだと思いますし、子供がカードを持つ事に不安を抱いているお父さん・お母さんも安心できるのではないでしょうか?
※ 加盟店によっては即時引き落としとならない場合もあるようなので口座残高以上に利用できてしまう場合があります。
家計簿はもう必要ない!?
家計をやりくりしようと考えた時にまず思いつくのは家計簿ですよね。買い物や支払いなどをした時の領収書を集めて貯めて自分・家族が「いつ・どれだけ・何に」お金を使ったのか管理するわけです。
きっちりやろうと思うとかなりしんどい作業になるので、節約の為とはいえ続けにくいものですよね。何がしんどいかってノートに書くにしても、PCで管理するにしてもレシートを転記する作業が非常にめんどくさいんですよね。
しかし、VISAデビットカードなら利用するとすぐに「いつ・どこで・何円」という内容の利用通知が携帯(PCを登録する事も可能)に送信されてきます。さらにWEBで利用明細を確認する事もできます。買い物・支払等をVISAデビットカードにする事で家計簿とおさらばできるかもしれませんね。
また、利用通知は利用するとすぐに送信されるので不正利用対策にもなります。
ショッピング保険や不正利用保険が付帯されているカードもある
ショッピング保険は、偶然な事故によって損害を被った場合に補償してくれる保険です。この保険は発行する銀行またはカードによって付帯の有無が異なります。以下付帯されているカードを紹介します。
■ショッピング保険が付帯されているVISAデビットカード
- スルガ銀行のVISAデビットカード
- 三菱東京UFJ銀行のVISAデビットカード
- 楽天銀行のVISAデビットカード(ゴールド)
- りそな銀行のVISAデビットカード(JMB)
- 近畿大阪のVISAデビットカード
不正利用保険は、カードが盗難や偽造などによって不正利用されて被った被害を補償してくれる保険です。この保険はジャパネット銀行、スルガ銀行を始めほとんどの銀行のカードに付帯されています。
先ほどの、メールで利用通知を知らせてくれる機能と併せて、カードに不安を抱いている人でも安心出来る内容になっているのではないでしょうか。
ネットでの買い物もできる
クレジットカードと同様にデビットカードもネットショッピングが可能です。
ネットの買い物でクレジットカードを利用する事に不安を感じる人もいると思います。この不安を解消する方法として、ジャパンネット銀行のカードレスVISAデビットカードを選択する方法があります。詳細は下記記事参照。
もう一つの対策としてはネットの決済方法にPaypalを利用する事が考えられます。paypalは簡単にいうと、利用者と販売者の間にpaypalが入り決済の代行をしてくれるサービスです。
そのため、カード番号を販売者側に渡さずにネットショッピングをする事が出来るので、カード番号が流出するリスクを減らすことができます。paypalにはVISAデビットカードでも登録する事ができるので利用してみてください。
他にも、今までクレジットの作れない未成年はVプリカなどを使ってAmazonとかで決済をしていたと思いますが、VISAデビットカードが有れば普通にAmazonでも利用することが出来ます。
visa加盟店なら海外でも利用可能
VISAデビットカードは世界中のVISA加盟店でクレジットカード同様に買い物ができます。また海外のATMで現地硬貨を引き出す事もできます。こういうマークが有るところですね。
ただし、海外で利用する場合には為替レートがカードによって異なりますが2.5%~3%の為替事務手数料が必要になります。また、ATM手数料が必要になるカードも有りますし、ATM手数料は無料でも現地の金融機関への手数料が発生する場合があります。
海外は日本のように治安が良いわけではないので何があるかわかりません。そのためカードも通常用と緊急用に「クレカ・クレカ」「クレカ・デビット」「デビット・デビット」のように2枚用意しておいたほうがいいでしょう。
デメリットの所で紹介しますが、VISAデビットカードは旅行保険が付帯されていないので緊急用として海外旅行保険が自動付帯されているクレカを1枚、通常用としてデビットカードを1枚にしたほうがいいかもしれませんね。まあ海外旅行保険に加入すればデビットカード2枚でも問題はありません。
デビットカードがオススメな人達
デビットカードのメリットを考慮すると以下のような人達と相性が抜群です。
- クレジットカードは使い過ぎてしまうので敬遠している人
- 発行審査に自信が無い人
- 高校生や主婦
- お釣りの小銭がジャラジャラするのが嫌(スマートな財布を持ちたい人) 等
確かに上記の人達にはデビットカードをお勧めしたいのですが、申し込む前にデビットカードのデメリットも知っておいて欲しいので、以下でデメリットについて紹介しますので参考にしてください。
VISAデビットカードのデメリット
デメリットは以下の様なものが考えられます。
- ポイント還元率はクレジットカードより悪い
- 年会費が必要な場合もある
- デビットカードを申し込んだ銀行に縛られる
- 暗証番号の入力が必要
- 旅行保険が無い
- ETCカードは発行できない
ポイント還元率はクレジットカードより悪い
デビットカードはクレジットカードと違い即時引き落としであり、分割払いもないので決済手数料が基本的に発生しません。そのため、発行体である銀行にとってはデビットカ-ドから収益はあまり上がらないため、クレジットカードよりはポイント還元率が悪くなってしまいます。
クレジットカードの還元率はだいたい1%~2%といった所ですが、VISAデビットカードの還元率はメリットの所で紹介したように0.2%~1%とクレジットカードと比較すると劣ってしまいます。
こういった背景もあり、次の年会費についても有料としている銀行も存在します。
年会費について
年会費が無料であるデビットカードについてはメリットの所で紹介しました。以下年会費が発生する銀行のデビットカードを紹介します。
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■年会費が必要なカード
- 楽天銀行デビットカード(税込1,029円)
- 楽天銀行デビットカードゴールド(税込3,086円)
- りそな銀行のりそなVISAデビットカード(オリジナル、JMB)
- 埼玉りそなのVISAデビットカード(オリジナル、JMB)
- 近畿大阪銀行のVISAデビットカード (オリジナル、JMB)
■初年度無料で年会費支払いに対してポイントが付与
年会費に関する詳細は「Visaデビットカードの比較記事」を御覧ください。
デビットカードを申し込んだ銀行に縛られる
デビットカードは銀行口座と紐付きの関係にあるので、その口座に預金が無いと利用する事ができません。スルガ銀行VISAデビットカードはスルガ銀行の口座、ジャパンネット銀行VISAデビットカードはジャパンネット銀行の口座からしか引き落としが出来ない訳です。
そのため、カードを申し込んだ金融機関がメインバンク(給料が入金されるなど)でない時は、わざわざ入金をしなければならなくなります。
このデメリットを良い方向に考えると入金した金額しか利用できないわけですから利用限度額を設定する事と同意となり、カードを使い過ぎてしまう人にとってはメリットになるかもしれませんね。
暗証番号の入力が必要!?
VISAデビットカードにICチップが搭載されている場合には、原則として利用時に本人確認の為に暗証番号を入力する必要があります。ICチップが搭載されていないVISAデビットカードはジャパンネット銀行のカードぐらいで、その他の銀行のVISAデビットカードにはICチップが搭載されています。
暗証番号の入力を面倒に思う人は少なからずいますよね。例えば、コンビニで100円の買い物をした時に暗証番号入力を求められたら小銭の方が早いやん!って思いますよね。
まぁ小額決済の場合は通常サインレスで出来る所が多いのでそこまで気にする必要も有りませんが、原則は暗証番号の入力が必要で手間といえば手間です。
参考:スルガ銀行|Visaデビットが使えるコンビニ(*弊社調べ)
旅行保険が無い
クレジットカードでは海外旅行保険や国内旅行保険が付帯されているものがありますが、VISAデビットカードは旅行保険が付帯されていません。この点もクレジットカードと比較すると劣る部分ではあります。
ETCカードは発行できない
ETCカードは自動車の高速道路の料金などを支払うためのカードです。このカードを利用する事で料金が割安になったり、現金のやり取りをしなくて済むので手間が掛からず非常に便利なカードです。
しかし、ETCカードは自動車が料金所を通過してもどこで降りるかわからないので料金が確定しません。そのため後払い方式を採用しているので与信が必要になります。対してVISAデビットカードは口座残高からの即時引き落としなのでETCカードの仕組みと合致しないのでETCカードとして利用する事はできません。
以上デビットカードのデメリットでした。ポイント還元率を重要視する人にとってはデビットカードはあまり向いていないと言えますね。ただクレジットかデビットかどちらかに絞ってしまうのもデビットカードのメリットを考えると勿体無い気もします。ケースバイケースで使い分けるのが賢いカードの使い方なのかもしれませんね。