節約投資のススメ
家族への専従者給与

青色事業専従者給与を家族に支払うとどれくらい節税できるの?


この記事を読むのに必要な時間の目安: 16分ぐらい

お金

個人で事業をやっていると税金が非常に負担になってきますね。特にサラリーマンの時と違って会社が年末調整をしてくれたり、給与から税金を徴収してくれたりするわけではないので、忘れた頃にやってくる!という感じで非常にキツイです。

とは言え、所得税に関しては「確定申告」という一大イベントが有りますので、2月もしくは3月に支払えばOKという感覚が有ります(予定納税は別として。)が、住民税(5月末通知)・個人事業税(8月通知)は本当に忘れた頃にやってくるので、その為にお金を工面してないと死亡みたいな事が実際に起こりうる訳です。

そんな時に多くの自営業者が思うのは「家族を働かせて経費を圧縮して節税すればいいのでは?」って所ですよね。それを可能にするのが「専従者給与」です。今回は青色申告をしている場合に適用が受けられる「青色事業専従者給与」について考えていきたいと思います。

前提条件としては事業主は夫、専従者になるのが嫁という前提で話を進めていきます。また今回は夫が自営業者で嫁は元々専業主婦だったという前提です。

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青色事業専従者給与のメリット/デメリット

なお、青色事業専従者給与の適用を受けるためにはその年の3月16日までに届け出を出しておく必要が有ります。年末近くになって利益が出すぎたから親族に給与を支払ったことにしよう!なんて事は出来ません。

また青色事業専従者として認められる人間は以下の項目を満たしておく必要が有ります。

イ 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。

ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。

ハ その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。

適用要件が分かったところで早速メリット・デメリットを見て行きましょう。まぁこれは簡単です。

メリット

累進課税制度が採用されている現状において、事業主の所得を経費として嫁に移転することで事業主の税率が下がり結果として世帯全体の納税額の節約になる。

もうこれしか無いでしょう。どれくらい節税できるのか?については後ほど見ていきます。

デメリット

配偶者控除は受けられない
デメリットとしては嫁が専従者の場合には配偶者控除が受けられなくなること。それによりどの程度の給与を支払えば良いか?を自分でちゃんと計算して置かなければならないこと(税理士が付いている場合は除く)。

■パートやアルバイトが出来なくなる
適用要件にも有るように専従者は「青色申告者の営む事業に専ら従事していること」が必要となります。また、一応の要件として年間6ヶ月以上の就業が必要となってきます。

パートやアルバイトをしていて事業に手伝いに専念できるの?という話になってくるので専従者給与を貰うのであればパート等は出来なくなります。

■雑務が増える
配偶者控除だけの場合には事業主側(夫側)で確定申告をすればハイ終わりーという状況になりますが、専従者給与を支払う場合には給与関連の諸手続きが必要となってくるので、専従者給与を支払わない場合と比べると手続きが煩雑になり、雑務の時間が増えます。

専従者給与の金額を考える上で考慮すべき税金

青色事業専従者給与の制度を適用するにあたっては「事業主(夫)」の税金と専業主婦だった「専従者(嫁)」の税金の両方の観点から考えて、最も税金が安くなるように設定するのが良いです。

なお、サラリーマンの妻の場合だと社会保険の扶養の問題も出てきて130万円の壁がうんたらかんたらという話になりますが、そもそも自営業の妻は第3号被保険者にはなれず国民健康保険は世帯課税ですし、今回の話の場合は社会保険の話を気にする必要は有りません。

で、「事業主(夫)」が気にする税金は以下の3つ。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税(所得が290万超の場合に5%)
個人事業税はいわゆる所得控除前の所得である課税標準に5%をかけて算出します。個人事業税の計算では事業主控除額(年290万円)が設定されており、青色申告特別控除や基礎控除などの所得税や住民税で言う控除項目は影響させません。(純粋な事業所得と290万円を比較して、290万円を超えたら課税されるし290万円未満なら課税されないって事です。)

専業主婦だった「専従者(嫁)」が気にする税金は以下の2つ

  • 所得税
  • 住民税
嫁は専従者給与という「給与」を貰うことになるので、夫のように事業所得ではなく給与所得になります。よって、個人事業税の事を考える必要は無いです。

で、夫と嫁の税金合計額が最も少なくなるように専従者給与を決めるのが合理的。

所得税と住民税がかからない範囲については下記記事を参照して下さい。

主婦の壁!?扶養控除でよく聞く103万円、130万円の意味
パートやアルバイトの住民税が非課税になる基準は98万円か100万円か

計算の前提

これから何パターンか節税額に関して見ていきますが、出てくる控除項目に関しては「基礎控除・配偶者控除・給与所得控除・青色申告特別控除額」だけとします。復興税と住民税の均等割も加味しません。

なお、基礎控除及び配偶者控除は所得税では38万円の控除・住民税では33万円の控除となっています。青色控除は65万円。

税率は「No.2260 所得税の税率-国税庁」を参考に。平成27年分以降の申告からは新たに4,000万円超の区分が適用されますー。僕は全然関係ないけど笑

所得税の速算表

給与所得控除はこちら

給与所得控除の金額

夫の事業所得がそもそも個人事業税がかからない範囲の場合

まずは、夫の事業所得が290万円という設定でそもそも夫には個人事業税がかからない場合の例を見ていきます。

パターン①:夫の所得が290万円で妻の専従者給与がない場合

この場合は妻は完全なる専業主婦ですので、夫側で配偶者控除を受けることとなります。

■夫の税額
所得税:290万円-65万円(青色申告特別控除)-38万円(基礎控除)-38万円(配偶者控除)=149万円×5%=74,500円

住民税:290万円-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)-33万円(配偶者控除)=159万円×10%=159,000円

個人事業税:290万円-290万円(事業主控除)=0

合計:233,500円

■妻の税額
今回、妻は専業主婦で収入が一切有りませんので妻個人へかかる税金は有りません。

■世帯の税額
233,500円+0円=233,500円

パターン②:夫の所得が290万円で妻へ専従者給与96万円を支払った場合

妻の年収は96万円です。月収にすると8万円。この金額だと住民税の所得割も所得税もかからない範囲なので、取り敢えずこの金額に設定する人も多いと思います。専従者給与を払った事から夫の側で配偶者控除を利用することは出来ません。

■夫の税額
所得税:290万円-65万円(青色申告特別控除)-38万円(基礎控除)-96万円(専従者給与)=91万円×5%=45,500円

住民税:290万円-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)-96万円(専従者給与)=96万円×10%=96,000円

個人事業税:マイナスとなるので税金ゼロ。

合計:141,500円

■妻の税額
妻は96万円の給与収入を手にしますが、収入額が96万円の場合には所得税も住民税もかかりません。まして給与所得者なので個人事業税もかかりません。よって妻の税額はゼロ円となります。

■世帯の税額
141,500円+0円=141,500円

夫の所得が290万円で同じパターン①とパターン②を比べると、92,000円もの節税になります。やはり、基本的に専従者給与は使った方が良いですね。

パターン③:夫の所得が290万円で妻の専従者給与が110万円の場合

パターン③では妻に所得税も住民税もかかる場合を考えてみます。

■夫の税額
所得税:290万円-65万円(青色申告特別控除)-38万円(基礎控除)-110万円(専従者給与)=77万円×5%=38,500円

住民税:290万円-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)-110万円(専従者給与)=82万円×10%=82,000円

個人事業税:マイナスとなるので税金ゼロ。

合計:120,500円

■妻の税額
所得税:110万円-65万円(給与所得控除)-38万円(基礎控除)=7万円×5%=3,500円

住民税:110万円-65万円(給与所得控除)-33万円(基礎控除)=12万円×10%=12,000円

合計:15,500円

■世帯の税額
120,500円+15,500円=136,000円

パターン②の場合よりも更に世帯税額が5,500円安くなりました。嫁の給与を100万円より少なく設定して、所得税・住民税がかからないようにするよりも嫁の給与所得控除65万円の方がインパクトが有るということですね。

夫の事業所得に個人事業税がかかっている場合

次に夫の事業所得が500万円で個人事業税がかかる場合を見て行きましょう。

パターン①:夫の事業所得が500万円で妻の専従者給与がない場合

この場合は妻は完全なる専業主婦ですので、夫側で配偶者控除を受けることとなります。

■夫の税額
所得税:500万円-65万円(青色控除)-38万円(基礎控除)-38万円(配偶者控除)=(359万円×20%)-42.75万円=290,500円

住民税:500万円-65万円(青色控除)-33万円(基礎控除)-33万円(配偶者控除)=364万円×10%=364,000円

個人事業税:(500万円-290万円(事業主控除))×5%=105,000円

合計:759,500円

■妻の税額
今回、妻は専業主婦で収入が一切有りませんので妻個人へかかる税金は有りません。

■世帯の税額
759,500円+0円=759,500円

パターン②:夫の所得が500万円で妻へ専従者給与250万円を支払った場合

夫の事業所得に事業税がかからない範囲で妻へ専従者給与を支払う設定にしてみました。

■夫の税額
所得税:500万円-65万円(青色控除)-38万円(基礎控除)-250万円(専従者給与)=147万円×5%=73,500円

住民税:500万円-65万円(青色控除)-33万円(基礎控除)-250万円(専従者給与)=152万円×10%=152,000円

個人事業税:500万円-250万円(専従者給与)-290万円(事業主控除))=マイナスとなるので事業税無し。

合計:225,500円

■妻の税額
所得税:250万円-68万円(給与所得控除)-38万円(基礎控除)=144万円×5%=72,000円

住民税:110万円-65万円(給与所得控除)-33万円(基礎控除)=149万円×10%=149,000円

合計:221,000円

■世帯の税額
225,500円+221,000円=446,500円

この場合だと759,500円と446,500円ということで、その差額313,000円となり滅茶苦茶大きくなりますねー。僕には嫁が居ないので、使えないですが。

専従者給与はその給与が適正か否か?が大事です。税務署に否認されたら終わりなので実際の業務の内容に応じた適正な額を支給しましょう。今回は計算例なので妻への給与250万円が適正であるという前提で進めています。

これ以上、計算例を書いていると終わりそうにないので計算例はこれで終わりw

結局、一番節税できる支給額って幾らなの?

専従者給与を払えば支払う税金が少なくなって節約出来るって話は分かったけれど、実際問題いくら支給したら一番良いのかを俺は知りたいんだ!という人もいらっしゃるかと思います。

そういう人の為に、一発で計算できる方程式みたいなものを作れればいいなと思って考えてみましたが、私の脳みそでは無理でした。予定所得が分かれば個別個別で出すことは簡単なんですけどねー。ごめんなさい。

一応、税理士の小林先生という人が専従者給与を支払った場合の税金シミュレーションが出来るExcelを作られていたので、自分で計算してみてください。

経理書式ダウンロード

上記ページ内の「(3)所得税関係 個人事業の納税額シミュレーションシート(専従者給与合算版)」というExcelシートです。今回の記事と違って生命保険料控除とか社会保険料控除とか全部含めた状態でシミュレーション出来るので、より実態に即した節税額を計算出来ると思います。

一応、考え方としては「事業主(夫)」の所得税率+個人事業税率よりも「専従者(嫁)」の所得税率の方が低い間は専従者給与を増やしても基本的に節税になると考えておいて良いでしょう。所得が分散してより低い税率が掛けられるようになりますから。

ですから、専従者(嫁)の所得税率が最低税率である5%でいられる間は専従者給与を増やして得をする事はあっても損はしません。(旦那の所得により節税額は頭打ちになりますが。)

税率が最低税率5%となる課税所得金額は195万円以下ですから、妻の配偶者控除38万円と給与所得控除を加味すると、妻の年収が3,585,714円以内(計算式参照)なら所得税率5%で収まります。他に控除項目が有ればもっと高い年収でも5%の課税帯にいられます。

計算式
A-(A×0.3+180,000)=1,950,000+380,000

Aは年収。

多分これで合ってるはず。間違ってたら教えてください。何にせよ自分で計算してみましょう~

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