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医療費控除

医療費控除の計算方法や申請方法、明細書の書き方


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医療費控除

はい、確定申告時に多くの人がよく使うであろう【医療費控除】について今日は話をしていきたいと思います。

まずは医療費控除の基本である適用要件や計算方法を見てから、実際に明細書の書き方や申告書への転記方法を見ていきます。

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適用要件(医療費控除が受けられる人・範囲)

医療費控除は自分または自分と生計を一にする親族の為に支払った医療費について適用されます。

  • 自分
  • 自分とお財布が一緒の親族(同一生計親族)
要は自分と自分の家族の病気等に払った治療費を一定割合医療費控除として所得控除してくれるということですね。ポイントを以下少し詳しく見ていきます。

同一生計親族とは

同一生計親族とは自分と同じお財布の中で生活している家族の事を言います。(同居・別居の有無を問わない)。

よって、子供が上京して大学に通っている場合でも親の仕送りをメインにして暮らしている場合、その子供は同一生計親族に該当します。なので、病院に行ったら領収書を保管しておくように言っておいて年末年始に回収して確定申告に使うと良いです。

イメージしやすいのは旦那の単身赴任でしょうか。この場合、別居せざるを得ない状況ですが、普通は旦那の給料で嫁・子供も生活するはずなので同一生計親族とみなされます。

親族について所得要件なし⇒所得が高い人の区分で申請を!

配偶者控除とかは所得要件が有って、ごちゃごちゃややこしいですが、医療費控除に関しては所得要件は有りません。嫁の所得がある程度高くても、旦那の医療費控除として適用を受けられます。

配偶者控除は103万まで、配偶者特別控除は141万まで。
主婦の壁!?扶養控除でよく聞く103万円、130万円の意味

では、この場合家族の中の誰の所得控除として申請するのがベストかというと【同一生計親族の中で最も所得が高い人】の医療費控除として申請するのがベストです。所得税は累進課税で所得が多ければ多いほど税率も上がっていき、比例して支払う税額も多くなります。

具体的には所得税率5%の人と所得税率20%の人では節税メリットが変わってきます。医療費控除は税額控除ではなく所得控除なので、税率をかける元となる課税所得金額を減少させる効果が有ります。そして、その課税所得金額に乗ずる税率は所得金額の多寡により変わってきます。税率表は下記の通り。

所得税率表
(出典:No.2260 所得税の税率-国税庁)

例えば、医療費控除が20万円だったした場合の節税メリットは以下のようになります。

  • 税率5%の人・・・20万円×5%=1万円
  • 税率20%の人・・・20万円×20%=4万円
医療費控除の額は変わらないのに、稼ぐ額によって節税メリットの大きさがかなり変わってしまう事が分かりますね(復興税と控除額は無視してます)。

計上基準(いつの医療費を申請するのか?)

計上基準とは「いつからいつまでに支払った分の医療費を医療費控除として申請できるか」という意味です。所得税法基本通達第73-1、73-2では以下のように書かれています。

(生計を一にする親族に係る医療費)

73-1 法第73条第1項に規定する「自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費」とは、医療費を支出すべき事由が生じた時又は現実に医療費を支払った時の現況において居住者と生計を一にし、かつ、親族である者に係る医療費をいう。

(支払った医療費の意義)

73-2 法第73条第1項に規定する「その年中に支払った当該医療費」とは、その年中に現実に支払った医療費をいうのであるから、未払となっている医療費は現実に支払われるまでは控除の対象とならないことに留意する。

その年の1月1日~12月31日までに実際に支払った医療費を控除対象として申請することになります。よって【未払医療費】は控除の対象となりません。

参考:未払の医療費|所得税目次一覧|国税庁

その年中に支払ったとして、その出費が「医療費控除になるのか・ならないのか」に関しては下記記事を参考にして下さい。

医療費控除の対象となるもの/対象外となるもののまとめ一覧

受け取った保険金に関する注意点

上記のように支払った医療費に関しては、現実に支払った医療費の額をその年分の控除対象金額として申請することになります。では、医療費控除の計算過程において医療費から控除する必要の有る「保険金等」の額はどう処理すればいいのでしょうか?

保険金等に関しても現実に受け取った年中のものとして申請するのでしょうか?例えば、保険金の受領が12月31日までに完了せずに翌年の3月31日になる場合とか。

この場合は、受け取れるであろう保険金の額を見積もって申請することになります。

なんで医療費は現実に支払った金額しか計上出来ないのに、保険金は受け取ってなくても反映させなあかんねん!という声が出てきそうですが、まぁそういうもんなのでこれは仕方ないですね。

参考:医療費を補てんする保険金等が未確定の場合|所得税目次一覧|国税庁

もし、実際に受け取った金額が申請時の見積もり金額と違う場合には過年度分の医療費控除額を訂正することで対応します。なお、医療費控除は過去5年度分まで修正して申告することが可能ですので結構大きな医療費を払っていたのに申告を忘れていた人は今からでも領収書をかき集めては如何でしょうか。(領収書無いとダメですが)

医療費控除の計算方法について

ここまで非常に長かったですが、ようやく医療費控除の計算方法です。よく、医療費控除は10万円以上払ってないと控除を受けられないんでしょ?という人がいますが、10万円未満しか払っていない人でも医療費控除を受けられる場合が有ります。

医療費控除の計算式

(医療費の額ー保険金等)ー 最低金額(*1)=医療費控除の額(最高200万)

*1 ここは【10万円】か【課税標準の合計額×5%】のいずれか少ない方の金額が該当します。課税標準額が200万円未満であれば最低金額が10万円を下回ります。

課税標準とは各種所得控除を控除する前の金額の事で、説明すると長くなるので省きますが、サラリーマンの人だったら会社から貰う源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の部分が該当します。

源泉徴収票

年収ライン的には311万6千円~312万円の当たりが、給与所得控除後の金額(課税標準)が200万を超えるか下回るかというラインに該当します。年収は上記源泉徴収票の「支払額」のところを見て下さい。なお、給与所得以外の所得が有る人は別途計算して下さいね。

参考:給与所得控除後の金額の速算表はこちら

医療費控除の額の計算例

前提:課税標準266万円 / 医療費の額14万円 / 受取保険金:2万円 / 家族:本人のみ

医療費控除の額=(14万円-2万円)-10万円=20,000円

この例だと課税標準が200万を超えているので、最低金額の所には10万円が当てはまります。結果医療費控除の額は2万円という事になります。

ただ、この事例の場合、課税標準が266万円しか有りませんので、医療費控除も含めたその他の所得控除を引いていくとそもそも所得税率が一番低い195万円以下の区分に該当されるので、医療費控除によって受けられる節税メリットは残念ながら「2万円×5%=1,000円」しか有りません。(復興税は無視してます。)

だから、医療費控除は家族の中で最も所得の高い人・税率が高い人に適用させろという訳ですね。

医療費控除の明細書の書き方と確定申告書の記載方法

実際に医療費控除の明細書の書き方と確定申告書への記載方法を見て行きましょう。見ていくといっても僕が書いたやつ見るだけですが。今回、前提とした人間は先ほど登場した家族無しのサラリーマンをモデルに計算していきます。

  • 年収:4,000,000円
  • 給与所得控除後の金額(課税標準):2,660,000円
  • 医療費の額:140,000円
  • 医療費を補填する保険金等の額:20,000円
  • 年末調整は既に正しく実施されているものとする。
  • 家族:無し。

例題としては少し寂しい内容ですが、大体の書き方が分かれば良いと思うのでこれでいきます。

まず、国税のHPから「医療費の明細書」の様式をダウンロードします。

医療費の明細書様式ダウンロードはこちら

で、上記前提を当てはめると医療費の明細書は以下のようになります。(画像はクリックで拡大可能。字が汚くてすいません。)

医療費の明細書

今回は「林太郎君」一人分の医療費しか書けませんが、本来ならば医療費の明細書には同一生計親族の医療費も記載することになるので、明細書に記入する前に「人毎・病院毎」に領収書をまとめてクリップなどでまとめておきましょう。

以下、それぞれ補足。

A「支払った医療費」・・・ここは単に領収書の合計ですね。国から「医療費のお知らせ」というお知らせが来ると思いますが、それは領収書代わりにはならないので注意しましょう。

医療費のお知らせ

B「保険金などで補填される金額」・・・その治療費に対して支払われた保険金の額。高額医療費制度などで支給された場合も同様。

まれに医療費の額よりも保険金の額が多くなることが有ると思いますが、この場合は該当の医療費に対する分だけを控除すればよく、他の医療費からもその保険金を控除する必要は有りません。

例えば、上記明細書で仮に虫歯の治療に対して保険金が10万円出たとしても、「左のうち生命保険や社会保険などで補填される金額」の所に10万円と書く必要は無く、かかった医療費の3万円分を書けば良いことになります。

残りの7万円に関しては他の医療費の為に受け取ったものではないので、他の医療費から差し引く必要は無いという事です。

C「差引金額」・・・特に説明なし。

D「所得金額の合計額」・・・サラリーマンの場合はいわゆる給与所得控除後の金額(課税標準)を書きます。通常は源泉徴収票から転記して下さい。

E及びF・・・ここは先ほどの計算例で見たように10万円と課税標準の5%の比較です。どちらか少ないほうをFに書きます。課税標準266万円の5%は133,000円で100,000円の方が小さいのでF欄には100,000円と書いています。

G「医療費控除額」・・・こちらも差引で計算。ここの数字を確定申告書Aに転記することになります。先ほどの計算例で見たように、今回の医療費控除の額は「20,000円」となります。

明細書に詳細な計算手順が書かれて有りますので、それを見ながら計算すれば間違える事は有りません。続いて、確定申告書の書き方も簡単に見ておきます。(クリックで拡大可能)

確定申告書の書き方

確定申告書A

「収入金額等-給与ア」・・・いわゆる年収金額の事を指します。源泉徴収票のの「支払金額」を転記します。

「所得金額-給与①」・・・ここが課税標準と呼ばれる所。サラリーマンの場合だと給与所得控除の金額(課税標準)です。

「所得から差し引かれる金額全般」・・・所得控除項目。該当する控除項目が有れば金額を記入して下さい。医療費控除もこの中の1つの項目で先ほどの明細書の金額を転記して下さい。

なお、上記例示で記載している社会保険料控除の額は概算です。また生命保険料控除等も加味していませんので、例示と捉えて見てください。計算の大勢に影響は有りません。

「課税される所得金額」・・・所得金額から控除項目を差し引いた金額(千円未満切り捨て)。この金額に対して税率を掛けることになります。税率は「所得税の税率 | 国税庁」を見て判断して下さい。

今回の場合は課税所得金額が195万円以下であるため、税率は5%です。結果として、税額は84,900円となります。なお、現在は算出された税額に対して2.1%の復興特別所得税額がかかりますので「84,900円×2.1%=1,782円(円未満切り捨て)」を㉟の欄に記載します。

84,900円と1,782円を合計した「86,682円」がこの年の所得税で有ることが判明しました。

「所得税及び復興特別所得税の額㊳」・・・ここは源泉徴収票に記載されている金額をそのまま転記。今回は前提より年末調整は正しく実施されているので87,703円。

最後に「年末調整済源泉徴収税額:87,703円」と「実際の所得税額:86,682円」とを比較して、還付を受けられるか追納する必要有るかが分かります。今回の場合は実際の所得税額の方が年末調整済み源泉徴収税額よりも少ないので、還付が受けられる事になります。

還付金額は「86,682円-87,703円=1,021円」です。

  • 通常税率分・・・20,000×5%=1,000円
  • 復興特別所得税額分・・・1,000円×2.1%=21円
  • 医療費控除の額20,000円に対する税率分だけ還付を受けられることが分かりますね!

今回は控除額が増えたら、控除×税率分だけ還付が受けられる事を示したかったので、敢えて最低税率で計算してみました。こう考えるとどれだけ戻ってくるか何となく分かりますよね。それも面倒臭いって人は医療費控除の簡易シミュレーションサイトなんかで試算してみたら良いと思います。

医療費控除簡易計算シュミレーター

なお、e-taxを使って申告納税すれば明細書も電子申告出来るので便利ですよー。領収書も添付する必要有りません。ただ、e-tax自体の使い勝手はクソほど悪いですが・・・。

注意点

医療費控除は生命保険料控除などと違い年末調整で会社がやってくれるものではなく、適用要件に該当する場合は自分で確定申告をする必要が有ります。(サラリーマンの人は要注意!)

また、住宅ローン控除などで既に所得税がゼロだから医療費控除は申請しなくても良いかなーなんて思ってる人も申請しておいた方が良いです。というのも、医療費控除を含めた所得控除項目は住民税の計算対象でも有るので、確定申告で申請しておかないと翌年度の住民税を無駄に払わなければいけなくなる可能性が有るからです。

取り敢えず迷ったら申告しとけ!

■関連記事
住宅ローン控除と医療費控除は併用すべき。住民税が安くなるから。

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