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企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金の比較及び両者の違い


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老後資金を確定拠出年金で作る

ヲタ記事です。個人型DCの記事を読んだ人は見なくて良いと思う。

先日、個人型確定拠出年金についての概要を記事にしましたので、今回は企業型確定拠出年金(以下企業型DC)について、個人型DCとの違いを中心に紹介していきたいと思います。

なお、確定拠出年金自体のメリット・デメリットに関しては、企業型DCも個人型DCもほぼ共通ですから、下記記事も参考にしてください。

個人型確定拠出年金(個人型DC)の概要とメリット・デメリット
確定拠出年金の改正案まとめ~全ての人が個人型DCに加入出来るように!

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企業型DCについて個人型DCと比較しながら書く

企業型DCについて個人型DCとの違いを中心に、制度内容について見て行きましょう。両者の比較表を作るのが面倒だったので引用させて貰います。

企業型DCと個人型DCの違い
(出典:企業型と個人型の違い-野村の確定拠出年金ねっと)

基本的に両者の違いのほとんどは、上記表を見て貰えば分かりますが、以下補足。

加入資格者

加入資格が有るのは、確定拠出年金を採用している企業に勤めているサラリーマン(第2号被保険者)です。既に確定給付型の年金制度が有る会社でも、企業側が確定拠出年金制度の採用を決めれば加入できます。

公務員は加入できません。

拠出金(掛金)について

制度上確定拠出年金は退職金の前払いの性質が有りますので、DCの掛金は原則事業主が全額負担します。限度額に関しては以下の通り。

  • 企業年金制度有りの会社の場合・・・月27,500円(年額33万円)
  • 企業年金制度無しの会社の場合・・・月55,000円(年額66万円)
企業年金制度が無いとは言え、月額最高5.5万円まで事業主負担で掛けてもらえるなら従業員としては願ったり叶ったりですね。厚生年金に入れない自営業でも月額6.8万円ですから、もう少し差が有っても良いんじゃないかと思ったりもします。

ちなみに、平成26年3月末時点における企業型DC加入者数は約464万人となっており、個人型DC加入者約20万人と比べると、非常に多くの方が確定拠出年金制度に関わっている事が分かります。

マッチング拠出(事業主掛金に上乗せ出来る!)

前回の改正で、平成24年1月より、従業員が事業主掛金に上乗せして拠出金を支払う「マッチング拠出」が出来るようになりました。

この時の制限は以下の2つ。

  • (ア)両者を合わせて掛金上限額を超えてはならない
  • (イ)従業員拠出の額は事業主掛金の額を超えてはならない
図で表すとこうなります。
拠出限度額
(出典:確定拠出年金制度の位置づけ-三井住友銀行)

マッチング拠出が出来るのは嬉しい事なのですが、基本的に日本の企業型DCは退職金制度の意味合いが強いので、なかなかマッチング拠出を上手く活用するのは難しいと言われています。というのも以下のような理由が有るからです。

  • 若年者だとそもそも給与も少なく勤続年数も短いため、事業主掛金が非常に少ない。⇒自分で老後のために拠出しようと思っても上記制限の「(イ)」が立ちはだかる。
  • 高齢者だとそもそも給与が多く勤続年数も長いため、事業主掛金が非常に多い⇒上乗せしてくても上記制限の「(ア)」が立ちはだかる
従業員拠出に関しては老後の資産形成の為の自助努力という意味合いが有るので、退職金の前払いである事業主掛金とは明確に限度額を分けるべきでは無いか?という意見も有ります。

その声を反映させたのかどうかは分からないですが、平成27年度改正により、企業型DC加入者でも企業が認めてくれれば個人型DCへの加入が出来るようになるので、資産を作りたい!と思っている人には朗報です。

従業員拠出(マッチング拠出)が出来るのは「企業型年金規約」に定められいる場合のみです。自分が掛金を拠出できるかは、会社の人事部などに問い合わせて見ましょう。

会社負担で投資教育を受けられる

企業型DCを導入する場合、事業主にはDCに加入する従業員に対して投資教育を実施することが義務付けられています。教育自体は人事・総務部が実施することも有れば、投資機関の専門家を呼んで実施してもらうことも有ります。

一般的に、外部の専門家を呼んで投資教育を実施して貰う事の方が多いようですが、これは企業型DCに加入する人にとっては大きなメリットです。

だって、個人型DCの場合は全て自分で勉強して自分で運用しなければなりませんが、企業型DCに加入している人の場合だと、企業がわざわざお金を払って投資の専門家を招いてセミナーを開いてくれるわけですからね。

企業に義務付けられている投資教育の内容としては以下のような物が有ります。

  • DC制度を含めた日本の年金制度の歴史や概要
  • 金融商品の仕組み・特徴
  • 資産運用の基礎知識

僕ら個人はそんな専門家を招くお金も無いですから、そういう意味では個人型DCしか入れない人と比べるとメリットは非常に大きいと言えます。

投資商品は会社が決める

これはメリットともデメリットとも見れる内容ですが、企業型DCの場合は運営管理機関・投資商品を会社が決定することになるので、自分自身で投資したい商品を選べないというデメリットが有ります。

もちろん、企業側が選んだ投資商品の中から選択するという事は出来ます。しかし、個人型DCの場合だと150以上の運営管理機関の中から、自分の好みの投資商品を扱っている金融機関を選ぶ事が出来るので、そういう意味で企業型DC加入者は個人型DC加入者と比べると選択肢に限りが有ると言えます。

そういうのに興味ないって人からすると、会社から提示される商品を選ぶだけの方が楽なので良いんですけど、ちょっと投資をかじっている人なら不満を持つことになるかもしれませんよね。

口座維持手数料等を会社が負担してくれる

企業型DCは退職金の前払いの性質が有るため、個人型DC加入者であれば自分で支払う必要がある口座維持手数料などを、会社が負担する事になります。

加入時手数料や口座維持手数料を含めても、年間数千円程度なのでそこまで大きな影響は有りませんが、それでも長期的に考えると数十万になりますから、やはり個人型DCよりは有利ですね。

なお、投資信託の運用手数料などは自分で負担する必要が有りますので、混同しないようにして下さい。


個人型DCとの比較で考えると、特筆すべき特徴はこれくらいでしょうか。何か不足したり、間違っている事が有れば教えてください。

続いて、確定給付年金制度との違いも簡単に紹介します。

補足-確定拠出年金(DC)と確定給付年金の違い(DB)

確定拠出年金は英語で「Defined Contribution Pension(+system)」と書きます。略称は「Defined(確定された) Contribution(拠出金・貢献)」の頭文字をそれぞれ取って【DC】と呼ばれます。

これに対するのが確定給付年金です。英語では「Defined Benefit Pension(+system)」と書きます。当然略称は「Defined(確定された) Benefit(利益・受給権)」の頭文字をとって【DB】と書きます。

確定給付型の年金には色々な物が有りますが、それを書き出すと無駄に長くなるのでここでは割愛しますが、両者の違いは以下のように理解して下さい。

  • 確定拠出年金(DC)・・・運用次第によって老後に受け取れる金額が変わる年金。運用の巧拙は自分が責任を負う事になる。
  • 確定給付年金(DB)・・・掛金さえしっかりと払っていれば、掛金に応じて決められた金額を確実に受け取れる年金。運用の巧拙は各年金管理団体等が引き受けるので、個人の受給額への影響されない。(*1)

*1 個人の受給額への影響は無いと書いていますが、厳密に言うと有ります。例えば確定給付型の企業年金であれば、年金資産の運用に失敗して積立金不足が起こった場合には、皆さんが働いている企業がその損失分を穴埋めします。すると、無駄な費用が発生して企業の業績は悪化します。

企業業績が悪化すれば当然その年のボーナスは少なくなり、設備投資に回すお金も無くなり、企業の将来性に関しても疑問符が付いてしまいかねません。

更に、既に退職しているのに年金が減らされる可能性が無いこともないです。その最たる例が経営破綻したJAL(日本航空)ですね。JALの年金減額割合は「現役社員5割・OB社員3割」という通常では考えられないような減額幅でした。企業年金を老後資金の頼みの綱にしていた社員からすると、何でやねん!という感じですね。

資産の保全性はDCの方がDBよりも高い

従業員全員の資産を1つの箱で運用する「確定給付型の年金」と違って、確定拠出年金は個人毎の専用口座で運用されます。つまり、基本的には事業主が掛金を拠出した段階で、その掛金は従業員個人の資産として認識されると共に保護されます。

従って、JALのように経営破綻した場合でも、従業員個人の確定拠出年金口座の資産が減額される事は有りません。そもそも法律で禁止されています。そういう意味でDCの方がDBよりも資産の保全性は高く、予測不能な年金減額で老後の生活が苦しくなるという事は有りません。

もちろん、運用に失敗したら老後の生活が苦しくなりますけどね(笑)

以上、企業型DCの特徴点でございました。何か誤りあればご連絡下さい~

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